第2章 学年一のモテモテ王子
さりげなくフォローしてくれる万美。
万美
「ていうか、私もこんなバカ光紀と付き合えてるなんて…私、自分を褒めるわ。」
光紀
「なんだとー!?」
いきなりの二人の言い合いに、可笑しくてクスッと笑う。圭太も、少しだけ口が緩んでいた。
光紀
「そんな事よりさー、俺たちも、もうすぐ2年になるんだよなぁー…」
万美が『そんな事ってなによ!!』と言っているのを横目に、光紀くんの言葉に答える。
梨沙
『そだねー。クラス替えとか、嫌だなー』
光紀
「…俺、万美とクラス離れるとか嫌だー」
そう言って万美に抱き付く光紀くん。
万美
「ちょっと、光紀、重いよー!」
光紀くんの腕から逃れようとする万美。
でも、その顔は少し赤く染まっていて…
梨沙
(いいなぁ。私も、圭太に抱き締められてみたいなぁ…なんて。)
チラッと圭太を盗み見る。
梨沙
(…ありえないか。)
圭太は、興味がないと言うかのように、欠伸をしていた。
それを見ていたクラスの女子達は「キャー!」と甲高い声を挙げていた。