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ドクターストップ!

第1章 ドクターストップ!


デリバリーは想像以上に早く到着して、玲司の手際の良さに惚れ惚れした。
玄関を開けると、そこにはマスク姿のお兄さん。
「こんばんは。」
「わざわざありがとー。」
玲司は玄関に入ってにこにこ笑う。
「心配で会いたかったんだからいいの。」
「じゃあ心配を口実に会いに来てよー。」
「あぁ、そうだけどさ・・・。」
玲司はコンビニ袋に視線を反らしながらモゴモゴと言葉を濁す。
「用事もなく会いに行くのって、なんか、恥ずかしいじゃん?」
・・・なんて可愛い事を言ってのけるんだ。
「いいじゃーん。あたしはいつでも玲司に会いたいよ?」
玲司に引っ付くと、早速注文した「優しい手」があたしの頭に置かれた。
「それなら良かった。」
「うん。」
こつんとおでこを合わせて、ふふっと笑い合う。
なんだかキスしてるみたいでドキドキした。


「・・・典子、なんか息荒くない?」
「あー・・・ドキドキしてるのと、鼻が詰まって息し辛くて。」
「寝なさい。」
ピシャリと言われて意気消沈。
「やだ!アイス食べるの!」
「食べて薬飲んだらすぐ寝なさい。」
「はーい。」
素直に従って、あたし達はそそくさとリビングに向かった。
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