第3章 キセキの世代とやらに会ってみた
「ちょっと、待ってよ高尾!確かに私達は入れ替わっても顔的には問題ないけど、トイレとか着替えとか他にも色々とどうしようもないことがあるよ⁉」
もちろんそうだ。
トイレとかどうやってやれというのか……。それに体育とかの着替えとか。ましては入れ替わった際には部活もしなくては。
「着替えだったらどこかひと気のないところですればいいし、トイレは男子のところに普通に入ればいいだろ?するときはあの個室の方ですればいい♪」
いやいや、いやいやいやいや。
待て、本当に待て。
確かにこれが薄い本とやらを求める方々には嬉しい出来事だろう。男子とは着替えるときにお巫山戯をよくやっているものだ。その様子を間近で観れるのだから。
だがしかし、私は違う。
というか、下手したら自分にまでそんな目に会うかもしれないというのに。
「優君のことが心配なんだろ?きっとお前なら大丈夫さ♪」
「高尾……」
やっぱり、お前はいい奴だ。
「胸もちょうどいいくらいだろう!押しつぶせば問題ない☆」
「前言撤回だ。バカ‼」
とりあえず、殴る。
でもまぁ、優のためだと思えば多分それが一番いい案なのだろう。私も優に対して気になっていたことを確かめられる。優の学校……帝光中に行けば、きっと。
「あぁ、それと。テスト期間だけは、本人が行くようにした方がいいと思う。俺が思うに優君は部活で何かあったと思うんだよ……帝光中のバスケ部は一部、悪い噂を聞くからな」
そう言って、高尾は帰宅の準備を始めた。時計を見ればもう7時だった。私も帰宅の準備を始める。
「高尾、本当にありがとう。入れ替わるなんて到底思わなかったことだけど、すごくいい案だよ!私、頑張ってみる」
帰宅の準備が終わった私は深々と頭を下げる。本当に高尾にはよくしてもらった。
すると高尾は笑いながら、いいっていいって!と言った。
「気にすんな。高尾ちゃん、いつでも相談OKよん♪ 」
そう茶化した高尾に私は笑った。