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渡り廊下で恋をした

第7章 ねぇ良太


「私、決めた。ううん、決めたんじゃない。気付いたの。
私、良太のことが好き。ずっと良太のことが好きだったの」

私は自分の気持ちを良太に打ち明けた。

そう、ずっと一緒にいて、私のことを見てくれて、私のことを考えてくれる良太のことが好きなの。

「ゆう…本当?」

「うん」

「ゆう…僕のことが好きなの?」

「うん…大好き」

「僕もだよ…! 僕も大好き…ゆう…!」

良太が私をぎゅっ…と抱きしめる。

「よかった…ゆう…」

良太の身体…あったかい…。

あったかくて優しい…私の良太…。

「ゆう…キスしていい?」

良太が私の顔を覗き込む。

「うん…いいよ」

私は良太の顔を見上げる。

目を閉じると唇と唇が触れた…。

……。

唇がそっと離れる。

「これがファーストキスか…」

良太が少し嬉しそうにつぶやく。

「えっ? ファーストキス?」

私は思わず聞き返す。

「えっ…? 違うの? ゆう、ファーストキスじゃないの?」

良太が少し焦った表情になる。

そっか、良太は覚えてないんだ…。

「ふふふっ」

私はふきだす。そして思い出す。



幼稚園の卒園式の後、小学校に行きたくないって泣いてた私。

良太はそんな私の頭を優しくなでなでして言った。

「僕もすぐ小学生になるから待ってて」

そして、私の唇にキスしたの。



「ね、ねぇ。もうしてしまったことについては怒らないから、せめて正直に話して」

良太が私に詰め寄る。

「んー…相手の人、もう覚えてないみたいだからノーカウントでいいんじゃないかな」

「何それ? なんなんだよ。どんなやつなんだよ…」

「覚えてないなんてひどいー。初めてだったのにぃ…」

「え…もしかして僕…? え? え? えっ…?」



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