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渡り廊下で恋をした

第5章 ねぇどっち? 前編


うわっヤバイ!

時計を見て、飛び起きる。

二度寝しちゃったー!

とりあえず制服に着替えて…
髪とかして…
歯磨きして…

「いってきますっ」

とりあえず、麦茶だけ一気飲みして玄関を出る。

「遅いっ! 遅いよ、ゆう」

外で待ち構えていた良太に声をかけられる。

「うるさいっ! あんたに文句言われる筋合いないんだから。だいたい待ってなくていいんだからね?」

良太は隣の家の子。私の1コ下の中3。

私たちは小走りで話す。

「ゆう、今日、部活あるの?」

「ん? えっと、今日休み」

「じゃあ勉強教えて。僕、数学わかんない」

「オッケー。じゃあ帰ったら行くね」

「よろしくね! じゃあバイバイ」

「じゃあねー」

曲がり角で私たちは別れる。

良太は、私も通ってた地元の中学に。

私は電車に乗って高校に通学してるので、駅に向かう。

良太は毎朝、この走って1分、歩いて3分の道を一緒に歩くために待ってる。

頼んだわけじゃない。

いつの間にか、良太が勝手に玄関の前で待つようになった。

中学のときは、朝たまたま会って一緒に歩いてても、学校が近くなると急に一人で走り出しちゃったりしてたのに、変な子。

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