第3章 いいよ。
「どうぞ、村上くん」
私は自分の部屋に彼を案内する。
「わぁ、可愛い部屋ですね」
彼が私の部屋を見渡してニッコリ微笑む。
同級生なのに敬語。
半年付き合ってるのに敬語。
「ほら、村上くんにもらったクマちゃん」
私は自分のベッドに座らせておいたクマちゃんを抱き上げる。
「毎晩、一緒に寝てるんだよ。ギュッて」
私は彼の目を見つめて、クマちゃんをギュッと抱く。
ほら、ギュッだよ。ギュッ
私は村上くんにギュッされたいの
心の中の声を送る。
「そうなんですか。可愛がってもらってるみたいでよかったです」
彼はニコニコして、クマちゃんの頭をポンポンとする。
むぅ、私もしてもらったことないのに。
私はクマちゃんに嫉妬する。
でもまあ時間はたっぷりあるから…。
…
と思ったけど、
お菓子食べながら部活の話で盛り上がったり、
私の少女マンガ読んだり…
こんなの放課後、教室に残ってるときと変わんないし!
せっかく私の部屋にいるんだから、私の部屋でしか出来ないこと…したいんだけど、彼はそう思わないのかなぁ。
ここは私の部屋だから、もしかして遠慮してる?
村上くん真面目だもんね。
私がリード…というか、なにかきっかけを…?
うーん…