第10章 西谷 夕2
西谷side
彩「え、いや、大丈夫ですよ!」
突然、彩香の声聞こえた気がした
声の方向に振り向くと、音駒のマネージャーが立っていた
あいつ・・・彩香なのか?
声も、身長も似てる
その子は、急いで体育館に入っていった
「・・・なぁ龍、音駒のマネージャーって、もしかして・・・」
田「音駒のマネ?かわいいよなー‼なんか彩香に似てるし」
龍がそう言った瞬間、オレは体育館へ走っていた
田「ノヤっさん?」
オレは体育館に入ると、大声で叫んだ
「彩香!!!」
その子は一瞬、びくっと震えてこっちを見た
オレは、目の前まで来ると、
「本当に彩香なのか?」
彩「・・・・・・・・・」
無言のままで喋らなかったので、じっと見つめていると
彩「う・・・ん」
と、頷いた
そしてオレは、彩香を抱きしめていた
彩「西谷くん・・・?」
「・・・ずっと、言いたかった事があるんだ」
抱きしめている腕に、力を入れて
「オレは・・・」
彩「・・・・・・や」
「彩香の事が」
好き、と言う前に、
彩「やめてっ‼」
ドンッと、突き飛ばされた
・・・な、
彩香は、はっとなってオレを見ると、
彩「・・・ご、ごめんね。でも・・・西谷くんの好きな人、烏野のマネージャーさんだって分かってるから・・・っ」
そう言うと、彩香はポロポロと泣きだしてしまった
オレの好きな人が潔子さん?・・・違う、オレが好きなのは、彩香だ
そう言う前に、彩香は体育館を出ていってしまった
そして、オレはそれを追えなかった