第8章 田中 龍之介
田「あいよっ、ぐんぐん牛乳!」
「おー、さんきゅ!」
体育館を覗くと、男バレが練習をしていた
澤「田中、やっぱり勝負してたのか」
「大地さん!ちわー!」
男バレは、あたしの両親が経営してるクリーニング屋のお得意様
届けるのはあたしがやってるから、皆あたしのことは知ってる
菅「田中が奢ってるってことは、彩香ちゃんが勝ったんだ!」
「はいっ、楽勝っした!」
・・・やべっ、忘れてた!
「潔子先輩!クリーニングに出したユニフォーム、持って来ましたっ!」
潔「ありがとう、彩香ちゃん」
大きなカバンから、たくさんのユニフォームを出すと、潔子先輩に渡した
潔「いつもありがとう、本当は私が取りに行かなくちゃいけないのに・・・」
「いえっ、お得意様なので当然です!今後ともごひいきに!」
と話していると、
バシッ、バンッという音がしてボールがこっちに飛んできた
どうやら、スパイクしたボールがシャットアウトされたようだ
田「潔子さんっ、彩香っ、危ない‼」
龍がそう言った時には、私は飛んできたボールをレシーブしていた
ポンッという音をたてて、ボールは戻っていった
その後、10秒ぐらいの沈黙
田「え・・・彩香、バレーできるのかっ!?」
「あれ、言ってなかったか?小学生の頃、バレーやってたんだよ」
《えぇっ‼》
「ただ、中学に入ってからは、店の手伝いが増えて辞めちまったんだけどなー」
澤「・・・そうだったのか。えらいな、彩香は」
「そんなことないっす!今は、男バレ見てるだけで楽しいっすから!」