第3章 心と身体
その日俺は合コンに誘ってもらい
定時で何とかあがろうとした。
「主任、今日はもう失礼しまっす。」
「…仕事は。」
「いやー、終わってないっすけど…。」
「終わらないうちに帰ると
社員の皆に迷惑じゃないか?」
「分かってますけど…今日は許して下さい。」
「はぁ。栗橋は残業代かかるんだ。」
「分かってますよ…。
明日しっかりやりますから!」
「鎌田!」
俺は無理矢理切り抜けた。
あの場に居たらどうにかなりそうだ。
主任には悪いけどな。
オフィスの玄関を抜けると
綺麗な夕焼けだった。
少し息を吸う。
暖かな春の匂いと爽やかな…
シャンプーの香り?
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