第6章 告げられた想い
告げたは良いけど恥ずかしすぎて顔を見られたくなくて、朔夜の胸に顔を埋めて隠す。そんな私の反応に息を詰めた朔夜は、一瞬戸惑った様にしてから私の顔をそっと包んで見つめた。きっと真っ赤になっているだろうから目を合わせられないでいる私に、幸せそうな顔をした朔夜。アンバランスなこの状況に何も言えないでいると、そっと顎を掬われる。さっきの山本くんと同じ状況なのに、拒否なんてするわけもなくて。寧ろその先を待ち侘びている自分を感じながら、そっと目を伏せる。もうすぐ唇が触れ合う時に、朔夜が口を開く。
「もう、後戻りはできませんよ…?」
「…?」
「オレは、めぐみ様が思っている以上にめぐみ様を愛しています。…これを許したら、もう、泣いて拒まれたって離してはあげられませんよ…?」
「…ずっと離さないでいてくれるなら、いいよ。後悔なんてしない。」
吐息が触れ合うほどの距離でそう呟いた瞬間、噛み付くような口付けが降ってきた。初めは啄む様に、そのまま唇を唇で食まれて息が出来ずにいる私をお構いなしに朔夜は口付ける。ふと離れた瞬間に息を吸おうと口を開けば、こじ開ける様に朔夜の舌が侵入してきた。そのまま嬲る様に口の中を蹂躙され、舌を吸われ、余すことなく味わい尽くされる。深くなっていく口付けに、鼻から声が抜ける。その声のあまりの甘ったるさに自分でビックリしたが、朔夜にとってはそれすら興奮材料になるらしく、より一層口付けは激しさを増した。朔夜の想いの丈を表す様に延々と口付けられ、息苦しさと嬉しさで生理的な涙が滲む。酸欠で頭がクラクラしてきた時、漸く唇が解放された。
お互いの乱れた吐息がくすぐる様で、気持ちいい。