You will... kiss on someone...
第9章 眠り姫
寮の前まで来ると由紀をおろした。
『藍ちゃんありがとうね』
「今度から気をつけなよ。」
『はーい。』
「はいは短く。」
『承知いたしました。』
「絶対わかってないよね。」
『大丈夫だってば。だって』
少し前に出てくるりと僕と向かい合った。
『また、藍ちゃんが助けてくれるでしょ?』
イタズラっぽく由紀は笑う。
「さーね。」
『あー、藍ちゃんの意地悪ぅー』
「早くしないと朝食なくなるんじゃない?」
『あっ!忘れてた!!藍ちゃんまた後でね!!』
颯爽と走っていくキミの背中を見ながら僕はこの胸の高鳴りの正体を探した。
僕がこれを恋だということを知るのはまだまだ先の話。
本当にずるいよね、由紀ってさ。