第1章 光が差し込む
それからというもの私たちは今までにないくらいを愛を交わしたのだった
そんな甘い時間もいいけれど私は少しとある疑問を投げかけてみた
「ねぇ…蒼世…私って、そんなに煩いかな…さっきだって部屋追い出されちゃったし…」
目を潤ませている私に対して驚いた顔をした後に蒼世は、ぱっと私から手を離して目を逸らした
更に、またため息をつかれて呆れた表情をされる
窓の隙間から入ってくる風は私を宥めるように頬をかする
そうすれば蒼世がポツポツと語り始める
「あの時、部屋の外には人がいた。詳しく言えば扉のすぐ前にいたのだな…」
蒼世side
あいつは、私が煩いと言うと生気が抜けた顔をして部屋を出て行ってしまった
確かに煩い時があるのは本当だが今回は、それとは話が別だ
部屋の外に人の気配を感じる
何度も行き来するような足音が聞こえる
「いい加減、入ってきたらどうだ」
扉の向こうにいる人物に言うと恐る恐る扉を開けて顔を覗かせた奴がいた
それは曇家次男、曇空丸であった
こいつは確かにいい目をしていて意思が強い
見ていると思い出してしまう、曇の血筋だけあってよく似ているところがある
曇天火…
「俺を強くしてください!よろしくお願いします!」
また、この話だ
何度来られようが同じだと言うのに変わらない
これで二度目になる
いい加減やめてほしいものだが、どこまでも付き纏う
そんなに天火を超えたいのか、あいつを
私が簡単に動くわけはないが、こいつを見ていると、どうしようもない気持ちになるのは何故だろうか
「一つ、その前に聞く。俺たちの話を盗み聞きしていたな?」
「す、するつもりはなかったんですよ!!た、ただ…聞いていたら入れる雰囲気じゃないなーと…」
眞咲side
「つまり、だ。あの場でお前の質問に答えていたとしよう。私は恥をかくだけだ。同様にお前も同じだ。それとも、あのまま言ってほしかったか?」
にやりと口元を歪ませれば、こちらを見て余裕のある表情になる
まさか、そんなことがあったとは知らずにショックを受けていた私はなんていう大きな勘違いをしてしまったのだろうかと恥ずかしくなった
それに空丸さんに聞かれていたなんて更に恥ずかしすぎると顔が真っ赤になりボンという爆発音が脳内だけに響いた
「え、えっと…」
「全く世話の焼ける奴だ。だが、そんなところも可愛いな」