第2章 秘密
足の痺れが収まり、ようやく体を自由に動かせるようになった。
彼女は先程作ったミルクティーを口にしながら、さきイカをつまんでいる。
時計の針はもうすぐ一日の終わりを告げる0へと秒針を進めていく。
「何か食べたいものある?」
「……カップ麺」
「却下」
小さな口でさきイカを飲み込んでいく彼女の答えを即座に否定して、俺はフライパンを火にかけた。
もくもくと口を動かす彼女は、ちらっとこちらを確認するとすぐにテレビ画面へと視線を戻す。
そんな彼女を他所に、バターを温まったフライパンに落とし、冷えたご飯を投入する。
具はピーマン、人参、ベーコンに玉ねぎ。
彼女が苦手な野菜はもちろんみじん切り。
程よく全てが炒まった後にケチャップを加えれば、立派なケチャップライスの出来上がりだ。