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Lipstick

第3章 待つよ


「陸…さん…」

「おう、紗知、また美人になったな」

なんで…



「2週間ほどいるそうよ」

母は笑顔で言った。
陸さんは父とお酒を飲んで話をしている。

「そーなんだ…」

約2年振りに会う陸さん。
なんかもっと素敵になった。

私は成長できてる?
大人の女性になれてる?
陸さんを振り向かせられるくらい
魅力的になれてる?

うれしいはずなのに
私の中では不安が勝ってしまっていた。




数日後。
「紗知ー?」

「はぁい?」

「暇。なんかないの?」

「なんかって??」

「ゲームとかさぁ」

「スマホゲームすればいいのに」

「DSとかさ」

「あるにはあるけど」

私はホコリをかぶったDSを取り出す。

「懐かしーな」

「DS?」

「うん」

陸さんはDSに夢中になっている。

「そういえば、お母さんは?」

「買いのもでたよ。」

「お兄ちゃんは?」

「塾だと」

「お父さんは仕事だし…」

ってことは、
この家には私と陸さんのふたりきり…


陸さんが疲れたのかDSを閉じる。
「ねぇ陸さん!私大人っぽくなった?」

「?あ、あぁ大人の女性に近づいたな」

「じゃあ今の私との恋愛はあり?」

「またそれか笑」

「そーだよっ!」

ずっと片想いしてるんだから!
片想いナメるなよ!

紗知は大胆な行動に出た。
陸の真っ正面から抱きつき
胸を押し付ける。

「紗知?どーした?」

「~~っっ///」

陸は動じなかった。

「陸さん、わたしそんなに魅力的じゃない?」

「へ?」

「魅力ないの…?」

「紗知は魅力的だよ?」

「じゃあ抱いてよ!」

「はっ?!」

「えっちしてよ」

「なに言ってんだよ、お前。目ぇ覚ませ?」

「覚めてるよっ!」

「あのな、お前、おかしいこと言ってんだぞ?」

「なによ、大人の余裕かましちゃって」

「お前より大人なつもりだったんだけど」

「大人だよ!私より大人!
なら大人な事、教えてよ…」

「…………」


陸は紗知を横に寝かすとその上にまたがる。
そのまま口を近づけて唇同士を重ねる。

「んっ///」

夢にまでみたこの瞬間。

私、陸さんとキスしてる……。

その幸せはすぐに消えた。

「んっっんんっ!」

陸さんの舌……?!
いやっやだ!怖いっ

唇が離れた。
「どーだ?これが大人なことだよ」
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