• テキストサイズ

Lipstick

第3章 待つよ


後日、兄は本当に黙っていてくれたようだ。

父と母に心配をかけたくない。
というのも本当だ。

でも一番の理由は
陸さんの耳にこの事が入ったら嫌だから。

ここでも陸さん中心だ。
ほんと、私ダメだな。





学校ではあることないこと噂された。
最初は大樹が「紗知は処女」と言いふらすと
それはまたたくまに広まり、
デートしたことあるもの、ないもの、
ましてや紗知と目もあわせたことない者までもが
適当な事を言いはじめた。
元々女子からはあまり好かれていなかったから
女子からの目線はあまり変わらなかったが
「処女」っていうキーワードは
向こうにとって紗知の弱味を握ったとでも
思っているらしい。

紗知本人は周りからの目も、
噂も気にしていない。

陸さんだけに好かれればそれでいい。
逆に言えば、陸さんだけには嫌われたくない。




「ただいまー」

紗知が帰宅すると見慣れない大きな靴。

「?」

お客さんかな…?

リビングをこっそり覗く。

「えっっ」

「よぉ、お帰り」

/ 24ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp