第2章 ここは、どこですか?
「空から降ってくるとは・・
貴様何者だ??」
夏侯惇。
鋭い視線に少しだけ怖くなる。
っというか周りも不審そうに
見ている。
居心地が悪い。
「間者ではあるまいな。
ふむ、不思議な身なりをしておる。」
髭に手を当てながら
考えるこの人は曹操様だ。
困った・・・
この場合どう言えば
信じてくれるだろうか。
いや、そもそもトリップしました。と
言って信じてくれる訳がない。
悩んでいると、グイッ!と
手首を捻られた。
「いっ・・!!」
「貴様!この私を無視するとは!
ええぃ!許せん!」
痛みに顔を歪める。
だいたい私だってここに
トリップさせられて混乱してる。
そこにこの人の偉そうな言葉と
乱暴な行動。
私をイラつかせるにはじゅうぶん。
「・・・うるさい・・・」
「なんだと!?」
「耳元でうるさいんだよ。
静かにしろ。」
ギロリと睨みつければ
袁紹は、顔を引きつらせた。
掴んでる腕を振り払う。
「え、袁紹殿・・
余り乱暴にするのは・・」
困ったように眉を下げるのは
仁を重んじる心優しい劉備様。
「おやおや・・
私達の大事な姫様を
乱暴に扱うとは・・
困りましたねぇ。」