第4章 蜀につきました
「目の前で見せた方がいいよねー?
だから、その人に体験してもらうよー!
それじゃ、遠よろしく♪」
にっこり笑って雷さんは
遠さんの肩を叩く。
「・・・・・」
「大丈夫だよー
危害はないから。」
遠さんは、ゆっくり手を上げて
手のひらを開く。
「わ、わぁ・・・・・!
あ、あれって炎・・・・・!」
遠さんの手から炎が出てきて
燃え上がる。
小さく息を吹いたら
その炎は、諸葛亮さんの元に。
「丞相!!」
「動くな。」
諸葛亮さんのことを
丞相と呼んだ人は
多分、姜維さん。
今にも飛んできそうな勢いだけれど
ピタリと動きが止まった。
どうしたんだろう?
「くっ・・・・・!動かない!」
炎は、諸葛亮さんに直撃した。
けれど・・・・・
「あっ・・・・・当たってない?」
「雷が、結界を
作ってくれましたからね。
大丈夫なんですよ。」
「さっきのあの光は
結界だったんだね。」
諸葛亮さんを包んだ光が
身を守るように
炎を弾いている。
「さて、これで分かりました??」
「なるほど・・・・・確かに
これは、普通の人間では
持っていない力ですね。」
炎が消えて、結界も消えた。
諸葛亮さんは驚いているのか
微かに目を見開いている。