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【黒子のバスケ】猫被り×猫被り

第5章 03





そんな練習試合で他校にも私の噂は広がったらしく、部活に行こうとすると「校門で待ってる人がいる」や「〇〇中のやつに連絡先教えてくれって言われたんだけど!」と言ってくる人が多数現れる

噂を聞いて一目見ようと来る人もいるが、小学校と違い男女の差が大きく生まれ、恋愛に興味が出る人も多くなる年頃。もちろん告白してくる人もいる


「ごめんなさい。でも、ありがとうございます」


だからと言って付き合うわけではない。なんとも迷惑な話だ。なんで今知り合ったばかりの男と付き合わなければならないのか

ここ最近続いているこのやり取りに嫌気を感じながら部活に行かねばと、名前も知らない人に笑顔を浮かべたあと背を向け走り出す


「急がなきゃ…」


部活が始まる時間を過ぎたせいか誰もいない女子更衣室で着替えていると扉の向こうからノックされる。上下着ているし問題ないかと扉を開けると知らない男が立っていた


「…ここ女子更衣室ですよ?」

「知ってるよ。僕の天使」


こいつがあの手紙の持ち主かと呼び方でピンとくる

直感でやばいと思い扉を閉めようとすると、足を挟み込み扉をこじ開け入り込んでくる。逃げようと経路を確認している隙に鍵を締められた

よく見ると彼はスマホをこちらに向けている。動画を撮っているのか写真を撮っているのか知らないが、これは厄介だ


「だめだよ天使はみんなと仲良くしちゃ」

「…私、天使じゃないんですけどねえ」

「天使だよ。ほら」


彼の手から隠し撮りでしか取れないだろう私の写真がばらまかれる

わざわざ現像したんだろうか、別に隠し撮り自体は初めてじゃないがここまで熱心な人は初めてだ





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