第2章 ラブシーン 後編
ベッドの前でナオは私の服を脱がし始めた。
「え、ちょっと。ヤダ」
私がナオの手を押さえると、ナオは不思議そうに言う。
「だって着たままだと服にシワついちゃうよ」
「でも……」
やっぱり恥ずかしいし……。
「大丈夫だよ。一緒にお風呂に入った仲じゃん」
うつむいたままの私にナオが明るく言った。
だけどそれって十年以上前の話だし……。
ナオの手が再び私の服を脱がそうとする。
「い、いいよ。自分で脱ぐ」
私がそう言うと、ナオは少し残念そうな顔をした。
「そう?」
「うん」
「じゃあ、俺も自分で脱ごう」
ナオがいきなり自分の服を脱ぎ始めたので、なんとなく私は後ろを向いて服を脱いだ。
下着だけになったところでブラも外すかどうか迷う。
「じゃあこれは俺が脱がしてあげる」
そう言ってナオは背中のホックをいきなり外した。
「えっ?」
ブラがふわっと浮き、締め付ける感覚がなくなると急に心細くなる。
私はあわてて手でブラを押さえようとしたけど、ナオが先に私の身体からブラを取り去った。
そして私の肩をつかみ、前を向かせる。
「な、なに……?」
じっと私の胸元を見つめるナオの視線に耐え切れず、私が口を開くとナオがハッとした様子で答える。
「大きくなったね……、ユウちゃん」
「それって、いつと比べて?」
「えと、この前いっしょにお風呂に入ったとき……」
だからそれって十年以上前だよ……。