第1章 初めまして・・・?
彼らから少し離れた所で、服を眺める。
これ、彼・・黄瀬くんに
似合うんじゃないか?
手を取って服を眺める。
「あっ、それ・・・」
声がして、振り向けば
黄瀬くんが立っていた。
「その服、いいっスね?
俺、好きかもっス。」
「あぁ、偶然ですね。
私も黄瀬くんに似合うなって
今、思って見ていたんですよ。」
ピッタリだったな。
少し、面白くて笑みを浮かべた。
「・・・・」
何も返事がないのを不思議に思って
黄瀬くんを見れば、目を見開いて
ポカンとしている。
・・・間抜け顏。
「どうしたんですか?黄瀬くん。」
「い、いや!なな、なんでもないっス!
この服、気に入ったから
これにするっス!」
「そうですか、似合うと思いますよ。」
そう言って、黄瀬くんに渡す。
ニッコリ笑えば、黄瀬くんも
笑顔を浮かべる。
何故か顔が赤かったけど。
そして、笑顔がぎこちなかったけど。