第5章 部屋が・・・寒いです。
「美味しいかー?」
「うん、美味しいよ。」
笑顔で頷けば
嬉しそうに笑う。
「君たちも味は大丈夫かな?」
玲が問いかければ
全員が美味しいと頷く。
「けど、藤ちんの方が
美味しい〜」
ピキリ。
せっかく温かくなった空気を
寒くしないでくれ・・・
紫原くんの一言に
私は顔が引きつる。
「紫原っち!
正直に言っちゃダメっスよ!」
「正直にということは
君もそう思ってるって
事だよね?」
ニコリと玲が微笑みつっこむ。
黄瀬くん・・・
サァと顔が青ざめる黄瀬くん。
「まぁ、分からなくもねーけどな。」
「まぁーな。俺たちだって
晴華の料理が一番だって
思ってるしな?」
分かってんじゃん?と
得意げな顔で話す2人。
何故、自分の料理よりも
私の方が美味しいと言われて
嬉しそうなんだ?
普通は不快になるはずなんだけど・・・。
「私は、3人が作る料理
好きだよ。」
この卵焼きとかね?と
笑って言えば
3人は、目を丸くして
それから逸らした。
なんで・・・?
「あー・・・なぁ晴華。」
「なに?」
「抱きしめていいか?」
「殴られたいの?」
「スイマセン・・・」