第1章 初めまして・・・?
「お待たせしました。
紅茶ですけど、よろしいですか?」
「はい。」
それぞれに、紅茶の入ったカップを
置いて、座る。
まず、何から話せばいいのやら。
少しだけ考えて、そうだと。
席を立つ。
部屋に向かい、本棚にある中から
あの漫画を取り出して、リビングに戻った。
どうしたのか、とこちらを見る彼ら。
説明はこれからの方がいいだろう。
「まず、これを見て下さい。」
テーブルの上に、本人たちが載っている
黒子のバスケを置いた。
その表紙を見て、彼らは目を見開く。
「く、黒子っちがいるっス!!」
「確かに、僕です。」
「どういうことだ?」
「ここでは、君たちは
漫画の世界の登場人物なんです。
つまり、今いる君たちは
漫画の中のキャラクターって事です。」
予想していた驚きの反応に
これからどうするか、考えた。
果たして、彼らはどう思うのか。
「君たちがいた、高校はここには
ありませんし、知り合いも恐らく
ここにはいないはずです。」
淡々と説明していけば彼らは無言。
部屋に、重い空気が流れた。
「あの・・・」
黒子くんが、遠慮気味に声を出した。
どうしたのかと、視線を向ければ
何かを決意したような瞳。
おや・・?
「もし、藤宮さんが良ければ
こちらに、置いてもらえませんか?」
それが、確かに無難だと思っていたけれど
まさか相手から切り出されるとは
思っていなかった。
黒子くんはともかく
黄瀬くんと、赤司くんの
警戒心は強かったから。