第3章 騒がしい・・けど悪くない。
「それにしても、藤宮は
バスケが強いんだな。」
野菜を切りながら
先ほどの1on1の事
バスケの話を出してきた。
そりゃ・・・聞きたくもなるか。
漫画の中で、キセキの時代と
言われるくらいの実力を持った
彼らに勝ってしまったのだから。
「強いというか・・・
好きですねぇ。」
「バスケ、してたんですか?」
「そうですね。一応
してましたよ。」
さすが、バスケ馬鹿なのか。
根掘り葉掘り聞いてくる。
「なんでバスケを?」
赤司くんの問に
野菜の皮を剥きながら
小さく笑みを浮かべる。
「それは、好きだからですよ。」
沢山あるスポーツの中で
バスケに興味を持った。
なぜかと言われれば分からないけど
一つ、言えるのは
バスケをしてる時、その瞬間が
とても楽しかった。
「勝っても、負けても
楽しかったから。」
「楽しい・・・」
「楽しいっていう感情。
それは、人それぞれですけど
私はそれがバスケだったって事です。」
そう、それだけの事。
「けど、今はもう
やっていないのかい?」
「今は、趣味でやってる程度ですね。」
「その道に進もうとは
思わないんですか?」
黒子くんの質問に
私は困ったな・・・と
思いながら、肩を竦ませる。
「さぁ、どうでしょうねぇ。
それじゃ、切った野菜を
鍋に入れてください。」
彼らに伝えて、話しを切った。
余り突っ込まれたくない所だ。