第2章 人数が増えました、仲良くなりましょう?
ドリブルを打つ。
そういえば、ボールを触るのは
久々な気がするな。
ワクワクしている自分に気づいて
笑みを浮かべた。
「んじゃ、行くよ。」
体制を低くして、ドリブルしながら走る。
さすがというかやっぱり
キセキと言われただけある。
素早く追いついて来た。
「藤宮さん、早いっス!」
さて、ここからどう抜こうか。
試しに、右へ動けば
すかさず黄瀬くんが前に出る。
隙がない、な。
面白い。
ニヤリと笑みを浮かべ
左に体を動かした。
ドリブルをすれば
黄瀬の手が伸びてくる。
「もらったっス!」
「甘いねぇ。」
すかさず体を右に展開して
素早くドリブルして抜いた。
「なっ!?」
シュートを放とうと構える。
きっと彼は追いつくだろう。
「まだっ、スよ!!」
やっぱり・・な。
シュートの構えをやめて
腕を伸ばしボールを片手で放った。
ポス・・
ボールは、ゴールに吸い込み落下。
「ま、負けたっス〜〜!!!」
ゴールを見つめ、悔しそうに
顔を歪ませる黄瀬くん。
けど、バスケが出来ることが嬉しいのか
楽しそうだ。
「お前、強ぇな。俺ともやれよ。」
「一回だけですから。
もうやりませんよ。」
「いーじゃねぇか。別に。」
「はぁ・・・晩御飯
遅くなってもいいならいいですよ。」