第1章 初めまして・・・?
全ての買い物を終えて
戻って来た頃には夕方になっていた。
「私はこのままご飯の支度をします。
君たちは、自由に過ごしてていいですよ?」
食材を手に取りながら
そう言えば、困ったような表情。
「そこの、クローゼットの中には
本が入ってますし、そこのテレビの下の
棚にはゲームが入ってますから。」
彼らが好きそうな物の場所を上げて
言ってみたけれど、渋った顔。
首を傾げた。
「どうかしました?」
「僕たちだけ何もしないのは・・」
「あぁ。そんなことを
気にしていたんですか?
気にしなくていいですよ。」
すぐに出来ますからと言うけれど
納得いかない様子。
こんな態度を示すように
なったという事は少しずつ
警戒心が溶けてきたのだろうか?
何がきっかけなのか分からないけど。
しかし、これでは埒があかない。
「では、君たちは今日買った服の
片付けをして頂けますか?
空いた収納スペースがありますから。」
そう言えば、ようやく頷いてくれた。
ほっと、息を吐いて
エプロンをつける。
「あ、収納スペースは
リビングを出て、すぐ右にある
扉に入ればありますから。」
「適当に入れても大丈夫なのかい?」
「大丈夫ですよ。」
「何かあったら呼んでくださいっス!」
「分かりました。」
それぞれ、言葉を返しながら
リビングを出て行く彼らを見る。
1人になり、静かになった。
奥では音がするけれど。
料理を始めるか。