第8章 穏やかな時間
「さて、そろそろ僕たちは
お暇しようかな?」
時計を見た玲がポツリと呟く。
確かにもう遅い時間だ。
「色々とありがとう。」
「いーんだよ、これくらい
お安い御用だ。」
「また、何かあったら
いつでも呼んでくれよなー?」
一人だと無理しそうだからな。と
ニヤリと笑って俊は私の頭を撫でる。
「・・・肝に銘じとくよ。」
「それじゃ、また来るからね。」
荷物を持ってリビングを出て行く
玲達の後を私も一緒に向かう。
「あれ?帰るっスか?」
そこにちょうどお風呂から
黄瀬くん達が出てきた。
「くれぐれも、晴華には
迷惑かけないようにね。」
ニコリと黒い何かを纏いながら
玲が微笑んだ。
黄瀬くんの顔が強ばる。
「玲、怖がってるから。」
「ふふっ、失礼しました。」
玄関に、全員でお見送りだ。
「おい、変態赤頭。今度は
お前と勝負だな。」
「変態じゃねぇし、赤頭でもねぇ!
火神だっつーの!
おう、話は聞いた強いんだろ?
けど、俺が勝つぜ!」
翔の言葉に素早くツッコミ
次の約束に、すでに
楽しそうな火神くんに私は笑う。
それじゃ・・・と言ったのは誰か
私の前に影ができた。
「・・・?」
頬に柔らかい感触。
ふわりと香る匂いと・・・
「あぁぁー!!!!」
っという黄瀬くん叫び声。
な、何?
何が起きたか分からなくて
視線を向ければ
にっこり笑った玲が
至近距離にいた。
そう、頬にキスをされたのだ。
「何してるのだよ!」
「ここはに、日本だ!!」
顔を真っ赤にして叫ぶ
緑間くんと火神くん。
火神くんに至っては
何を言ってるか分からない。
私は顔が赤くなるのを
自覚しながら
頬に手を当てた。
すると、それを見ていた
翔と俊は顔を見合わせ
ニヤリと笑った。
あ・・・この笑みは
何かを企んだ時だ。