第8章 穏やかな時間
「君が連れていったらどうだい?」
「は、俺が?」
「だって君たち部屋が一緒でしょう?」
ニコリと笑ってだからね?と
優しく話す玲。
それが、逆に何かを感じるのか
青峰くんは顔を引つらせ
深いため息を吐いた。
「あー・・・なんで俺が・・・」
「とりあえず、私が
どかなくちゃですよねぇ」
そっと、腕をどかそうとするけど
逆に力を入れられて抜け出せない。
『・・・・・・』
「殴ったらどうだ?」
「俊、それはダメだよ。」
何を言い出すのかと
ギョッとすれば、他の3人も
冷ややか目で紫原くんを見ている。
こ、怖っ!
「ちっ、ったく・・・」
ゴンっ!
「っ!いった〜!」
「・・・・・・えぇ〜」
ほんとに殴りましたよこの子。
しかも、グーで。
紫原くんは、痛みで目を開け
不機嫌そうな表情を浮かべ
殴られた頭を摩る。
「峰ちん何すんのー?」
「寝るなら部屋に行けよ。」
「まだ寝ないよー」
「寝てたじゃねーか。」
「ウトウトしてただけー」
ゆっくりな口調の紫原くんに
青峰くんの素早いツッコミ。
それが面白くて笑ってしまう。
意外と仲良しなのかもしれない。
「何笑ってんだよ。」
「ふふっ・・・いいえ。
なんでもありませんよ。」
「笑いすぎーアンタ等もー」
視線を向ければ、玲達も
おかしそうに笑っていた。
私だけじゃなく玲達も
同じ事を思っていたんだろう。
「お前らいいコンビだよ。」
「んな訳ねーだろ。」
「ふふっ・・・」
「おや、晴華はツボに
入ってしまったみたいだね。」
「晴華ちんー」
「ご、ごめんなさい・・・」