第8章 穏やかな時間
「あれー終わったのー?」
「はい、終わりました。
紫原くんは・・・・・お菓子ですか?」
相変わらず、眠そうな目で
お菓子を食べている。
好きなんだなぁ。と思いながら
私は腰を下ろした。
「晴華ちん食べるー?」
あ・・・・・名前。
呼び方が変わった事に気づいた。
仲良くなれた、という事だろうか。
「いいんですか?
ありがとうございます。」
差し出されたのは
紫原くんが食べてるものとは違う
可愛い袋に包まれたチョコ。
それを受け取って、袋を開けて
口に入れた。
甘さが口に広がって
体に染みていく感じがする。
笑みを浮かべた。
お腹、空いたな・・・・・
「美味しい〜?」
「美味しいです。」
紫原くんは、笑って
またお菓子を食べだした。
「おい、晴華。
このゲームのシリーズって
もうないのかよ。」
「ん?あぁ・・・・・これならありますよ。
確かそこの棚に。」
青峰くんが、画面を指差しながら
こちらを振り向いた。
ゲームの棚を示せば
その棚を開けて探し出す。
どうやら、ハマったみたいだ。
それから紫原くんと、話したり
青峰くんのゲームを見ていたら
玲からご飯が出来たよと呼ばれた。
キッチンからいい匂いがして
空腹が強くなる。
メニューはなんだろう?
テーブルに行けば
豚の生姜焼きが並んでいた。
「美味しそう・・・・・」
他にも色んな料理が並べられて
バランスのいい食事だ。
「仕事で忙しい藤宮さんのために
精がつくメニューにしました。」
「・・・・・それは、嬉しいですねぇ。」
考えて料理を作ってくれるだなんて
本当、優しいな。
口元が自然と上がる。
全員が席をついた。
「皆さん、ありがとう。」
心からのお礼を告げて笑う。
「・・・・・?どうかしましたか?
顔が赤いですけど・・・・・」
「な、何でもないっスっ!」
「そうですか??」
不思議に思いつつ
手を合わせていただきます。と
挨拶をして、食べる。
皆も同じように挨拶をして食べ始めた。