第8章 穏やかな時間
仕事用の部屋に入り
一つ息を吐いて、資料を広げた。
とりあえず、この資料全て仕上げたい。
鉛筆を手に取り、紙に書いていく。
スラスラと、止まる事なく
イメージを綺麗に表現出来て順調だ。
「・・・・よし。」
自然と笑みが浮かぶ。
楽しい、な。
仕事してる瞬間、バスケしてる時には
かなわないけれど、好きだ。
上手く行かなくて悩む時もあるし
家に閉じこもりになることも
頻繁で、心配をかけてしまうけれど。
そこで、ふと手を止めた。
っというより、区切りがついた。
小さく息を漏らして、伸びをする。
今、何時だろう?
そういえば、いい匂いがする。
時計を見ると、7時。
「えっ・・・・・」
目を見開いて、もう一度時計を見た。
針は変わることなく7時を指している。
しまった、夕ご飯を・・・・・!
慌てて部屋を出る。
それから、リビングの扉を開けた。
「あっ、藤宮さんお疲れ様です。」
「・・・・・あ。」
黒子くんが、こちらに気づいて声をかける。
その手には、料理がのったお皿を持っていた。
目を丸くすれば、キッチンから
火神くんがヒョイと顔を出した。
「ご飯出来てるぜー。」
「・・・・・おや。」
「いつも作ってもらっていたからな。
俺達が作ったんだ。」
赤司くんは、ニコリと笑って
サラダをテーブルに置く。
あぁ・・・・・なんだか、いいな。
小さく笑う。
キッチンに足を運べば
翔、俊、玲がいて・・・・・近づいた。
「料理、ありがとう。」
「お?お疲れさん。終わった?」
「うん、今日はもう終わり料理ごめんね。」
「あ?んなこと、心配すんなよ。
それに、あいつらも手伝ってくれたから
楽なもんだ。」
そう言って、ニヤリと笑う翔。
あいつら、とは黒子くん達の事だろう。
そっか。と笑って頷いた。
「なかなか、出てこないから
心配したけど・・・・・
ご飯食べるよね?」
「勿論。」
私も手伝おうと手を伸ばしたけれど
全員に阻止されて、仕方なく
リビングへと戻る。