第2章 ミラクルとハプニング
「影山ならツッキーと闘える?」
「は?何言ってんだ?」
「できるの?できないの?」
「負ける気しねぇ。あんな、ヒョロッヒョロしてる奴。」
相当嫌いだなこりゃ…
「じゃあ、影山にトス集めた方がいいよね。」
「は?正気か?」
「正気だよ。セッターだったあたしが言ってるんだから。」
「ちょっと待て…セッターってどういう事だ?」
「細かい事は気にしないのっ!」
兎に角、この状況をどうにかしたいと…。今ツッキーと渡り合えるのは、影山だけ。あたしの攻撃じゃ限界がある。なら…
「あたしが繋ぐ。影山はそれを…打ってほしい。」
綺麗事とかカッコつけたとかじゃなくて、本心だった。自分に出来る精一杯のことだと思った。
「わかった。どんな球でも打ってやる。」
「ありがとう。そう言ってくれると、心強い。」
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影山の活躍で、その後一点も採られずに優勝を手にした。
「お疲れ様ー!おめでとう!」
「お疲れ〜。やったね!」
クラスの皆が激励のことばをくれた。けれど、あたしは盛り上がれる気分ではなかった。
「ありがとう。皆の応援の声届いてたよ!流石に疲れちゃったから、ちょっと休んでくるねっ!」
「おー」
「あんだけ動いてたからなあ。」
クラスメイト達に手を振って、あたしはその場を後にした…。