第2章 ミラクルとハプニング
「えー、聞きたい?」
あぁ、これは何か自慢されるパターンの下りだ。
「うん。」
ここで聞かなかったら、あとあと面倒臭いので、生返事だけしてみた。
「勇太だよ!」
「えっ?あっそうなの?そうか、二人は同じクラスなんだっけ。良かったね。」
勇太とは、真矢の彼氏のこと。
真矢ののろけ話を散々聞かされ、第一試合が始まる直前でやっと、解放された。
「おい。」
「はいっ!…って影山?」
「俺ら第一試合たぞ。」
「あ、ほんと?!ごめん。すぐ行く!」
こうして球技大会は始まった。
このまま順調に事が進むほど、現実は甘くないという事をあたしは知ることになるとも知らずに…。