第4章 新吉原で…
鮫男
「弘原鮫兵団団長
姓は一ヶ瀬!
名は鮫男!」
男は華焔さんの前で高らかにそう言った
志々雄さんは窓辺でその様子を見ている
私、宗次郎、華火さん、あかねちゃん、かがりちゃんの5人は華焔さんに言われて襖の後ろに隠れて話を聞いている
どうやらその鮫……男?あれ…幸だっけ?まぁその男が今宵の相手を申し入れたが断られてたようで
ならば身受けをしようということらしい
華焔
「!!」
華焔さんが身受けの話に絶望的な表情を浮かべている横を志々雄さんが通ろうとした
鮫男
「何者だ」
志々雄
「客だよ コイツの」
鮫男
「何用だ」
志々雄
「野暮用
そこどけよ 小便が漏れちまうだろ」
志々雄さんは不敵な笑みを浮かべた
鮫男(かな?)は顔を歪ませた
鮫男
「その傷…
大層な古兵者と見た
京都?上野?会津?函館?
それは何処で?
だが何にせよ
西南の役に無傷で勝った俺の様な強者の姿ではない
傷だらけは弱者の姿」
『…ねぇ宗次郎…』
宗次郎
「ん?」
『あいつ絶対弱いよね。』
宗次郎
「でしょうね 志々雄さんのことを弱者って言っているんですから」
闘いの時に相手の強さを見分けるのは剣士の基本…
それができないのは自分の力を過信している証拠だ