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素敵ゴト。

第1章 始まりは。


朝食を食べ終えた私は、身支度を整え
特に急ぐそぶりも見せずに家を出た。



遅刻だったら1分も1時間も同じだ。と、考えたからである。
"家が近いから"という理由で選んだ高校だったのに
そんな短い道のりを遅刻している私はノロノロと進んでいる。



全く意味がない。



だんだんと目的地が見えはじめていた。
見るだけで憂鬱になる校門はご丁寧にキッチリ閉まっている。
まぁ、鍵くらい開いているだろうと思い勢いよく門を右へひいた。



ところがソレはびくともせず
一人、すってんころりんといわんばかりに転げてしまった。
「バラエティ番組なら間違いなくウケるよ、これ。」
と、くだらない独り言を言ったとき、
ふと後ろから「くっく…くくく…」と微かな笑い声が聞こえた。



驚いてぱっと振りかえるとそこには
口を必死に押さえて笑っている背の高い黒髪の青年が立っていた。



恥ずかしさで消えてしまいたい。
そのとき
「くくく…。ゴメンゴメン。あんまりおもしろかったからさ
ツボっちゃっ……って… ブフッ」
カチンときた私は「何よ!そこまで笑わなくたっていいじゃない!」
そういって反論してみた。



「いやだっ……て くくっ。そこに思いっきり張り紙はってあるし」
そういって青年は校門あたりを指差した。
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