第10章 *2人を繋ぐ窓【青峰大輝】*
体勢を入れ替え、こいつの耳の近くで催促するオレ。
聞きたいって言ってるのに、「分かってるからキスしてこんな体勢にしたんでしょ?」とは言う。
口調は照れ隠しをしているようにも聞こえ、そして赤い頬に潤んだ瞳を持つを見て……なんだか無性に愛おしさが募った。
そう思ったのは初めてで……自分の中に芽生えた感情なのに少し戸惑ってしまう。
「照れてんじゃねーよ……言え」
「っ……言わないよ」
「あ…?だったらこの耳甘噛みすんぞ……」
「ふぁ…っ!やっ、ねぇっ……」
「感じんのかよ……良い声出しやがって……」
「出してなっ、んぁ…!」
だがここでも動揺は内に秘め、の耳に向かって舌を伸ばした。
毎日聞いていたものとは全く違う艶めいた声に、オレのテンションと息遣いはみるみる上がっていく。
自分からも変な声が出てしまうほどに。
「ほら……早く言わねぇとやめてやんねぇぞ……」
「はぁっ……本当に…?」
「マジだって……」
「っ……だっ、大ちゃ…っ」
「あ…?」
「す……好きっ……」
って、は勇気出して言ってくれたけど……
オレはやめる気なんてさらさらない。
ていうか気分が盛り上がっちゃってる状態でお終いは無理だ。
まだまだこれからだろって……オレの舌は耳を愛撫し続ける。
「ちょ…!大ちゃん話が違っ…!」
「何言ってんだお前……ホントは続けたいんだろ…?」
「あっ……そっ、そんなっ……」
「じゃあ何だよそのエロい声はよ……息なんてめちゃくちゃ出てんじゃねーか……」
「ちっ、違うよこれは…っ」
「気持ちいいから出るんだろーが。ホントはもっと良くなりたいって思ってんだろ…?」