第8章 *年下の可愛い彼女【実渕玲央】*
「何固くなってるのよ」
「イヤ……フタリキリデスシ」
「まるでロボットじゃない。楽にしてちょうだい」
とか心に誓って彼女の家に来たというのに……ちゃんったらガチガチなのよ。
正座して真っ直ぐ前を向いたまま見てもくれないの。
この様子じゃ可哀想かしらって、また諦めムードになっちゃった私。
けど……次の瞬間ちゃんから胸に飛び込んできてくれたのよ。
勢いが強過ぎてちょっと痛かったけど。
「あら、どうしたのかしら?」
「ま、先ずは……自分から!」
「え?何の話…?」
「赤司くんに聞いたんです…!その気なら……自分から抱き付いてみろって…!」
何を言ってるのよ征ちゃんは!
よくもそんな事教えられたわね!
ちゃんにとったらかなり恥ずかしい筈よ!
……でも勇気出してくれたのよね。
私とシてもいいから実行してくれたんでしょう?
嬉しいわ、ありがとう。
「貴女も悩んでくれていたのね」
「はい……先輩に呆れられちゃうと思って……」
「そんな事ないわよ。誰も最初は怖いものだもの」
「でも…!でも私も……シ、シたいというか……」
「……そう。その言葉が聞けただけで十分だわ」
「先輩…っ」
「ダメよ先輩なんて。玲央って呼んで……」