第12章 *思い出の海【花宮 真】*
『ねぇっ……真くんってば…っ』
『これで嫌がってるつもりか?勃ってんだよココは』
『ひゃぁ…っ』
でもな……あの日は一切笑いかけてくれなかったから……荒れたな、オレは。
〝こいつは嫌がってる〟って見てれば分かったけど、〝そんな筈はない〟って無理矢理考えを変えてた。
感じたから勃ったとは限らない。
寒かったりしても同じ状態になる。
この時期は冬だったから……オレがまだ何もしてないのに自立していてもおかしくはなかった。
確か部屋はとても寒かった記憶がある。
『ついでに言えば……お前結構濡らしてるんだぜ?』
『ンン…っ』
『見ろよ、オレの指に付いたお前のを』
『ねぇ真くんっ……一回落ち着いて……』
『あ?そう無駄口叩くなよ……お前は早いとこオレ色に染まってろ』
『あっ、あぁ…っ!やっ……』
下が濡れてたのはオレが胸を弄ったから。
必ずしも心と身体がリンクしてるわけじゃない。
本気で感じて出したものじゃないと思ってはいても……オレはニヤついてた。
調子に乗ってデカく掻き回して……何回もイかせて。
『はっ、はっ、も……やぁ……』
『これで終わりだと思うなよ。まだ大事なモンが残ってんだから、なっ……』
『んあぁっ…!』