第2章 思わぬ出来事
なんだ、何が起こっている。
私にはこの自称クロサワコーキがどう見てもあの後輩に見える。
とりあえず便宜上後輩(仮)とでもしよう。
どうやら後輩(仮)も後輩(仮)で驚いているようだ。
「と、とりあえず服を着て。ね」
年下をなだめるような感じで私に接する後輩(仮)の言うとおりベッドサイドに落ちたブラとシャツを着て視線を戻す。
下はまあ、いいでしょ。自分の家だし。
青少年の前に出る格好ではないにしても、私は自分の家に居るのだからどんな格好でも咎められない筈だ。
はいはい。着ましたよ。
さあ、クロサワを出してもらおうか。
最中で寝て、いや、まだ最中にもならないような序盤で寝やがって。
まあ、私もそうだけど。
「とりあえず、いいや。煙草吸ってくる」
ベットから立ち上がると横で寝てた後輩(仮)は私の手を引っ張った。
「どうみても未成年でしょ、君」
は?どうみても立派な成人女性ですけど。
かなり真面目な顔で言われたけど、どう見ても未成年なのはあなたでしょう。
「ま、いーや。とりあえず顔洗って煙草吸ってくるから君も服着なさい。
ここの向こうがリビングだから」
後輩(仮)は何故かクロサワの服を拾って私についてきた。
私の言葉に 知ってます。そう返事をし迷うことなくリビングへのドアを開けていた。
クロサワの野郎。何処行きやがった。
とりあえず顔を洗って。
って…
コレ何?????
鏡の向こうの私は、私だけど私じゃなかった。
私の叫び声に気付いた後輩(仮)がリビングからのそのそやって来た。
「何?ウルサイですよ」
おい、コレ見ろ・・・昨日の私じゃないぞ。
今日、つい先ほど会ったばかり(再会したのだが向こうからすれば私は初対面だと思うので多分、この表現が正しいだろう)の後輩(仮)に言ったところで仕方ないが私は誰でもいいから、この驚くべき事実を知って欲しかった。
が
鏡の向こうを見た後輩(仮)が 私より驚いた声を出した。
「な・・・なんですかこれ!」