第1章 バイオレンス・オア・トリート
「バイオレンス・オア・トリート」
「・・・・・え・・・・・・・・」
バイオレンスっ!?
トリック・オア・トリートではなくっ!?
というか、絶対ナナシは『トリック・オア・トリート』の意味を
知らずに適当にバイオレンスに置き換えたなっ!?
思考が一瞬停止している間に、ナナシから回し蹴りを食らい
エルヴィンは派手に吹っ飛んだ。
「私にお菓子をくれない奴は片っ端から、
手足の関節を外してボコってやるっ!」
突然凶暴化した白猫はそう言い残すと風のように去って行った。
―――ヤバイっ!!
ナナシ!それは既に強盗だっ!!!
巨人と対峙する前に調査兵団兵士の心を折るような事を
しないでくれっ!!
自ら地雷を踏んで、ナナシの怒りを買ったエルヴィンは
痛む身体を起こしてナナシの後を追った。