第2章 フランケンシュタインの悲劇
『狼男(ボス)×白猫』
『黒猫×白猫』
『狼男(部下)×白猫』
『狼男‘s×白猫』
『狼男(ボス)×黒猫』
『狼男(部下)×黒猫』
『狼男‘s×黒猫』
『狼男(部下)×狼男(ボス)*リバ可能』
・・・等などの品揃えである。
基本猫達は総受けで、
白猫様ものを全種購入した者には特別価格で
『狼男‘s+黒猫×白猫』本も売るという手法まで取っていた。
因みに『獣達に輪姦される哀れな生贄』というタイトルで
販売されているそれは、限定発売という事もあって、
今や完売状態だった。
これも増版せねば・・・とハンジは頭の中で何冊増版するか考える。
そんな中研究室の片隅でモブリットは胃痛の持病を抱え、
胃薬を片手にペンを持ち泣く泣く同人誌の筆を
進めているのであった。
「・・・・・・ハンジ分隊長・・・」
「んー?何?」
「結局・・・ナナシさんは男性なんですか?女性なんですか?
これ描いててどっちつかずにぼかすの、
すっごく大変なんですけど・・・」
「・・・・・・・・モブリット、
それはわからない方が萌えるから頑張ってぼかして」
「えっ!?いや、でもこれR18ですよっ!?
どうやったって限界ありますって!!」
モブリットがそう言うと
ハンジはいつになく真面目な顔で言い切った。
「自分の命を犠牲にする覚悟があるっていうなら、
私は止めない。でも、その謎に挑んだエルヴィンが何度も
半殺しに遭ってるから気をつけてね」
「・・・・・・・頑張ってぼかします」
モブリットは机を涙で濡らしながら原稿を進めた。