第1章 バイオレンス・オア・トリート
乗ってきた所で思わぬ邪魔(エルヴィン達)が入り
舌打ちしたリヴァイは、少し逡巡した後
嫌がらせを続行する事に決める。
強制的に猫の格好をさせられてリヴァイは
エルヴィンに対して怒りが続いていたのだ。
どうせなら、もっとワイルドな仮装がしたかったのに・・・・。
「おいおい、ここは俺達の縄張りだ。
イヌ科はとっとと出て行きやがれ」
ゴロツキ丸出して喧嘩を売るリヴァイに、
エルヴィンはフッと鼻で嗤うように返す。
「これは失礼。だがこの世は弱肉強食だ。
君達ネコ科は私達の庇護下でニャンニャン啼いているのが
お似合いだと思うが?」
「あぁ?俺達を叩き出すってのか?おもしれぇ」
「叩き出すんじゃない。軍門に降れと言っているんだ。
私が可愛い子猫ちゃん達にそんな無体な真似するはずがないだろ?」
今まで充分無体な真似をされてきたと思うが・・・と
リヴァイは思ったが、口でエルヴィンに勝てるはずもない。
リヴァイはエルヴィンに見せつけるようにナナシの腰を抱いて
引き寄せた。
「悪いが狼男の出る幕はねぇよ。
ネコ科とイヌ科は相容れねぇ存在だ。
俺達は新しい縄張りを探しに旅に出るさ。
こいつはさっき狼男に意地悪されて傷ついてたからなぁ・・・。
てめぇの顔も見たくないんじゃねぇの?」
リヴァイの挑発にエルヴィンの片眉がピクッと動いた。
エルヴィンの目から余裕が消えていき、
苛立ちが出てきたのがわかって、リヴァイはほくそ笑む。
が、エルヴィンは深く息を吐き出すと、
徐ろに懐からお菓子を取り出しナナシに見えるように傾けた。