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それでも僕らは。【 Free! 】

第2章 おかえり。


空は蒼く、澄み渡る。



春とは名ばかりで未だに肌にあたる風は冷たい。




真琴は出掛けるべく玄関で靴を履いていた。



蘭・蓮「おにぃちゃーん!」



大きな声と共に真琴の背中にのし掛かる妹と弟。
二人同時に乗って来たため、真琴の体は前のめりに傾いた。



真琴「それじゃあ、行ってくるね。」



靴を履き終え立ち上がり、二人の頭を撫でると、二人は嬉しそうな笑顔を見せた。


蘭「ねぇねぇ!ちゃんと悠ちゃん、連れてきてね!」

蓮「早く悠ちゃんに会いた~い!」


真琴「くすっ…二人とも悠帰ってくるの、楽しみにしてたもんね。ちゃんと連れてくるから、いい子に待ってるんだぞ?」


そう言い笑顔を向けると、二人は一段と目を輝かせて頷いた。


蘭・蓮「うん!!いい子に待ってる!!」


真琴「…よし!…じゃ、行くね?」



いってらっしゃーい!と言う二人の声を背中に受けながら、真琴は家を出た。



家を出てすぐの階段を上ると白い猫が寄ってきて、足元に絡み付く。

真琴は猫の頭を撫でながら、あと少しで会えるであろう彼女のことを思い浮かべ、思わず顔の筋肉が緩んだ。



真琴(……中2の夏以来だから…3年半ぶりか………。早く、逢いたいな……)


彼女のことを思うと、胸がじわりと熱くなるのを感じる。
時間が経ってもこの熱は収まることはなく、会えない分だけ更に深まる一方だった。



真琴(…っと、いけないいけない……)



あまり時間のないことを思い出した俺は、
猫と別れ、再び階段を登る。

すぐに見えてきた家へと足を運び、玄関の戸を叩く。




トントン___



……返事なし。



真琴「…やっぱり。そうだよねぇ……」



小さくため息を漏らすと、踵を返し家の裏へと回る。


真琴「おじゃましまーす……」


納戸を開け家の中に入る。
家の中はシンとしていて人気が感じられなかった。



真琴(……あそこか……)



真琴は目的地へ向かうべく、脱衣所に足を踏み入れる。
脱衣かごには、家主の脱いだであろう服と下着。



真琴「入るよー。」



声をかけ、真琴は目的地である浴室の扉に手をかけた
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