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それでも僕らは。【 Free! 】

第3章 変化する距離感【*裏指定*】


必死になって落ち着かせようとした心臓は、自分の声など届かないらしく、今も激しく脈打ち、全身に熱を広げていく。




目の前では、普段の姿とは異なるパジャマ姿の悠。
幼い頃に何度も見ていたその姿と、現在の姿では絶対的な違いがあり、その”絶対的な違い”により、真琴は理性と欲望の狭間で戦う破目にあっているのだ。



真琴母の悠にとっては少しゆるめのパジャマを纏う彼女の姿は、動くたびにちらりと見える白い首筋や、鎖骨、細い足首など、真琴にとっては理性を切り刻む刃にしか感じられないほど、破壊的な視覚刺激を与えてくるわけで。



真琴(まずい…これは、本格的にまずい気がする…///)



ちらりと彼女を盗み見ると、楽しそうにニコニコと笑いながら、一緒に寝るの久しぶりだね、など可愛らしく首を傾げながら話している。




真琴(はぁー…)



目の前の悠は全く意識をしていないのか、相変わらず可愛い仕草を見せ、真琴をぐいぐいと追い詰めていく。

真琴は心の中で盛大にため息をつくと、これ以上近づいてはなるまいと彼女から少し離れたところにさりげなく腰を下ろした。



………が、あろうことか悠は立ち上がると、自分の方へと近づいてくるではないか。



真琴「悠?どうしたの?」(なっ///?!何でこっちくんの?!)



悠は真琴の目の前で立ち止まると、肩にかけてあったタオルを掴み、そのままワシワシと彼の髪を拭き始めた。



「まだ濡れてるよ―?マコちゃんもちゃんと拭かないと風引いちゃうぞ~。」



頭上から聞こえる楽しそうな彼女の声、目線を上げると目の前にはパジャマの袷から覗く白い肌と鎖骨。




真琴「_____っ///?!」



瞬間、全身がブワッと熱くなったの感じ、同時に下半身に集まる熱。



一度視界に入ったら最後___
たとえ目を閉じても脳裏に鮮明に残った映像が頭の中にリフレインする。
これでは逸らした意味がないと、再び目を開けると、変わらず覗く白く柔らかそうな愛しい彼女の肌。





真琴(あの鎖骨…舐めたらどんな味がするんだろう…)







思わず唾を飲み込む自分に、ハッとするも既に事遅し。




気がつくと無意識に伸ばされた自らの手は、細い彼女の腰へとたどり着いていた。
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