第2章 おかえり。
お風呂から出た真琴は一度キッチンで水を飲み、気持ちを落ち着かせていた。
真琴(大丈夫……ただ同じ部屋で寝るだけだ。……同じ布団ってわけでもないし………)
自らに言い聞かせるように、大丈夫、と繰り返し呟くと、真琴は意を決して部屋へと向かった。
部屋の扉の前に立ち深呼吸を1つ。
真琴「すぅー……はぁ………よしっ………………… 悠?入るよー。」
取手を握り扉を開くと、室内は静まり返っていた。
すぐ視界に入ると思っていた存在が確認できず、顔を左右に振り彼女を探す。
真琴「…………あ////」
真琴の視線の先には自分のベッドの上でスヤスヤと眠る愛しい女の子。
枕をぎゅうと抱き締める姿は、とても可愛らしく真琴はだらしなく破顔していた。
真琴(悠が俺のベッドで………///!!!こんなかわいい姿見れたなら、もう、死んでもいいかも…///)
真琴は高鳴る胸を抑えつつ、何もかけずに寝てしまっている悠に毛布をかけようとした。
その瞬間、タイミングを見計らったかのように悠の瞼が開き、目が合ってしまった。
「……ん…………あ、れ?……マコちゃんだぁ」
ふにゃりと笑うその姿に真琴は胸を鷲掴みされたような感覚を覚えるものの、平常心を意識し普段と変わらぬ対応を心がけた。
真琴「待ちくたびれて寝ちゃったんだね。悠疲れてるのに、待たせてごめんね?」
真琴の言葉にふるふると頭を左右に振る悠。
「…違うの。ベッドにゴロンとして待ってたら、マコちゃんの匂いがして……何かマコちゃんにぎゅってされてるみたいで安心するなって思ってたら、寝ちゃったみたいなの……///……ごめんね?」
真琴「__へっ///!?俺の匂い……?落ち着くって………」
バクンバクンと音をたてる心臓は今にも爆発寸前。
自分のことを思って寝てしまった、等の殺し文句に、先程まで必死に抑えてきた欲望がちらりと顔を覗かせてしまう。
「私、昔からね、マコちゃんの匂い嗅ぐと安心しちゃうんだよね。何かホッとすると言うか………うん。好きなんだよねぇ…」
真琴「!?!?(い、今!好きって言った!?ど
うゆう意味なんだーっ///!?!?)」