第5章 触れる温かい輪
帰宅してすぐにみんなにありがとうのメッセージを送る。実は今日、秀が笹倉兄弟と私が連絡をとれるよう、LI○Eでグループを作ってくれたのだ。
[今帰り着きました!今日は本当にありがとう、楽しかったです!]
これに対してすぐに返してきたのは悠輔。
悠輔[俺も楽しかった。いつでも待ってるから、また来てね!]
私[ありがとう!]
その後他愛のない会話を悠輔としていると、既読が2に。だけど何も返ってこない。そして既読が3になると、秀から返信が来た。
秀[俺も今帰ったよ!こちらこそありがとう。また近い内においでね!]
そうして3人で暫くトークを続けるも、やっぱり功平が参加してこない。ただただ既読マークが付くだけ。・・・何だかモヤモヤが止まらない。
個人的に連絡した方がいい?・・・でも迷惑かな。
トークをしながら色々考えているといつの間にか時間が経っており、お風呂に入るからと中断したその時
[返信しなくてごめん、おかえり]
という、いつものように殺風景なメッセージが、功平から個人的に届いた。連絡が来たことにホッとし、私もすぐに返事を返す。
私[ただいま!既読付いてるのに返事がないからちょっと心配だったけど・・・連絡くれてありがと、安心した!]
功平[心配させてごめん。俺はグループより個人の方がいい]
だからグループの方で返さなくても気にしなくていいから、と付け足されたメッセージに私は胸を撫で下ろした。自分でも驚く程、彼からの返信がないことが不安だったらしい。
[じゃあ、功平くんにはこっちで連絡するね!]
[よろしく]
彼の連絡先を知ってから何気にほぼ毎日してきたトークは、今の私にとってはいつの間にか日常化してしまっていた。同い年だからなのか、つい没頭してしまい時間も忘れてしまう。
[そういえば風呂は?]
[入る!功平くんは?]
[じゃあ俺も入るかな。お前、長風呂し過ぎるなよ]
[功平くんはもっとちゃんと湯船浸からないと風邪ひくよ]
[男はシャワーで十分]
[頑固者]
[お前には負けるよ。早く風呂入れ]
[ふーんだ。いってきまーす!]
深夜間近にようやく区切りをつけ、遅い!と寝室に入りかけた母に文句を言われながらお風呂に向かった。