第1章 あなたにあげる、リンドウを
アキトは、やっと泣き止んだ。
泣いて疲れたのか、今度は眠そうにしている。
子供みたい。
本当に幾つですかって感じ。
まあ、同い年なのは知ってるんだけどね。
「アズサはさあ、振られた?」
は?私振られるの前提ですか?
「この間、男と、歩いてるのみたからさあ」
目を擦りながら話してる。もう寝ればいいのに。
「ああ、あいつか。振ってやったわ」
多分、つい最近まで、つい3週間ほど前まで付き合っていた人だと思う。
私の言葉にアキトは よかったあー って。
「じゃあ、俺、もう寝ていい?」
自分の話したこと話したら、今度は寝るんですね。
いつも通りです。
アキトは当たり前のように私のベッドに行こうとする。
外から来たまんま、布団はいられるの、すごく嫌だけど
アキトは次の日、布団干してシーツも洗ってくれるから許してる。
「勝手にすれば?」
「うん。勝手にする」