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3ヵ月に1度の涙の理由

第1章 あなたにあげる、リンドウを


「俺の、何が、駄目なん、だと思、う?」
また泣く。メンドクサイ男。

アキトの持って来たビールは底をついた。

私はキッチンに行き、シンク下から焼酎を出す。
アキトは泣きながらも私の後を付いてキッチンに来る。
そして冷蔵庫から氷を取ってグラスに入れる。グラスは2個。
頼んだわけじゃないけど、いつも通り。


「あんたの駄目なとこはメンドイとこ、すぐ泣くとこ」

「アズサの前でしか泣かないのにー」

「わかったから、わかったから、」

自分でも何が分かったのか分からないけど。
ビールから焼酎に移ってもペースは変わらない。
水のように飲む。


「アズサは、わかって、ない、」

アキトの服の袖口が少し濡れていた。
それで涙を拭くものだから。

アキトにティッシュ箱を投げつける。

「顔、汚いから拭きなさいよ」

こいつが泣くようになったのはいつからだろう。
最初振られたのを見たときは、泣いてなかった。
2回目は、少し悲しそうな顔してたくらい。
3回目は涙目になってたんだっけ。

あれ?それ、4回目だっけ?


忘れた。

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