第14章 欲に負けるかっこ悪さ。

ステフ「な、なんで！？」


いままでの憎たらしい笑みを消し
空「挑発にのって正直にグーを
出さなかったことは評価する――



だが、まだ浅い」



花を抱き直しながら
淡々と答える

空「俺の挑発にのって
自分が唯一負ける可能性のあるグーを
出そうとした


だが、俺の表情を見て
冷静になり
俺がパー以外では『勝ち』がないことを
理解した」


ステフ「！」

読まれてた！？
しかも、あの表情は、芝居！？


空「と、そこまではいいけど
俺を負かすつもりなら
パーにしとくべきだったなー

そうすりゃー、俺の唯一の勝ちを潰した上で
俺に勝てる倍率は倍になってた」



ステファニーがパーを出していたら…

空が宣言通りパーの場合
パー対パー
引き分け

空がグーの場合
グー対パー
ステファニーの勝ち

空がチョキの場合
チョキ対パーで
パー以外を出したらあいこ
引き分け

そう、パーならよかったのに


そこまで考えられ
動かされていたのだ


ステファニーが
昼間負けた理由だと言わんばかりに…