第10章 イカサマはお兄様には通用しません。
マスターは
チラっとみる
少し考えたあとで
「………一泊食事つきだな」
その言葉に
空は
目以外を笑顔にして
空「あははは〜
あのさ、五徹したあと
パラシュートなしスカイダイビングに
久しぶりに死ぬ程歩かされて
ヘットへトなんだよね~
――『本当は何泊か』
さっさと教えてくれないかな?」
『(うわ〜、悪い顔)』
花は思った
それを感じ取ったのか
空がそんな顔で
花を見て、さらにニヤリと笑った
『あはは』
誤魔化すように笑う
空…楽しそう
そして、
またマスターに向き直る
空「貨幣価値がわからない田舎モンと踏んで
ぼったくろうとするのは勝手だけどさ
嘘つくときは
視線と声のトーンに気をつけたほうがいいよ?
とアドバイスしておくよ」
白「…にぃ、生き生きしてる」
白もボソッと言った
花は頷く
マスターは舌打ちし
「……二泊だよ」
空「ほらまたー、嘘つく
…じゃ、間をとって十泊三食つきで
手を打とうぜ」
「なっ
なんの間をとった!?
わ、わかった
三泊食事つきだ、本当だ!」
空「あ、そ
じゃ、五泊食事つきに割引してよ」
マスターが言い返そうとした
それを遮り
空「客からぼったくってピンハネして
ポケット入れてるお金がありゃ
奢れるっしょ?」
マスターは図星だ
空「おたく、酒場のマスターであって
宿屋のマスターじゃないでしょ?
告げ口するよ?」
ヘラヘラと笑う
えげつない…