第5章 にょいっと手が出るのはいかがのものか
空「ちっ、胸糞ワリィ」
舌打ちしながら、俯く白の頭をまた撫でる。
花は空がくれた今着ている自分の服の
裾をギュッと握る。
弱々しくそこにいる兄妹を思い…
その場をどうにかしよう…
2人には悪いが電源を切ろうと花が
カーソルを向けていく。
テロン
また悲しませてしまう
急いでシャットアウトしようとした
しかし
白が止める
《もし"単純なゲームで全てが決まる世界"
があったら―》
その文面を見て想像し
憧れを隠せない2人を見て
カーソルを動かしていた手を引っ込める花
《目的も、ルールも明確な盤上の世界が
あったら、どう思うかな?》
空はキーボードに指を置き
《ああ、そんな世界があるなら、
俺達は生まれる世界を間違えたわけだ》
最初のメールになぞらえ、返信した。
その刹那―――