第3章 大好きな桃色の娘
『あつーっ』
ほどよく伸びた髪をふあふあ揺らしながら
3つほどの大きなレジ袋の中に
大量の食べ物と飲み物が入っている
それを抱えながら
少し小走りで駆ける少女が一人…
たどり着いたのは
どことなくどよんだ空気を醸しだす
扉の前。
それを見て
『はぁ〜…』
と、うなだれる。
『また徹夜でゲームしてるのか……(苦笑』
呆れつつ、納得しているように笑い
少し深く吸った息を
元気に声にする。
『もしもーし!
元気ですかー?5日目の昼だよー?』
その手に持つ袋は
冷たい飲み物で汗をかき
抱える腕を少し冷やしている――。